その昔、花火は神社の祭礼・ご神事の際、神様への「奉納」という形で打ち上げられていました。人々は花火に想いを託し、祈りを捧げていたのです。
「奉納花火」は今も日本に僅かですが数カ所残っていて、「片貝煙火工業」の本拠地、新潟県小千谷市片貝町の浅原神社例大祭「片貝まつり」もその1つです。
平和への祈り、大切な人に伝えたい想いや、故人へのメッセージが花火に込められており、個々人のメッセージが読み上げられた後、丁寧に打ち上げられて行きます。
この片貝煙火工業の本田正憲会長から先日このようなお言葉を「富士山花火 vs スピードウェイ」にいただきました。
「富士の麓に平和への技術が舞う」
職人の方々が代々、切磋琢磨し技術力を上げ芸術性も高めることで、途方もない年月をかけて進化させてきた花火。もちろん火薬で出来ているわけですが、それは「平和への技術」だったのです。
そしてさらに、この富士スピードウェイの地で飛躍的に発展してきたレーシングカーの技術、モータースポーツの進化という分野にもかかっていると感じました。
本イベントが「平和への技術とは」ということを考えてみる1つのきっかけになればと願っています。
富士山は古来より祈りの場でもありました。
富士山花火は「星に願いを」というテーマで花火を打ち上げるコーナーがあります。
夜空に色とりどりの花を咲かせる花火の火薬のことを「星」と花火師さん達は呼びます。
世界は広く、地上ではいろいろなことがありますが、宇宙から見るとそこには1つの美しい青い星。
今年の「富士山花火 vs スピードウェイ」には海外各国からも大勢の方がご来場くださいます。
会場の富士スピードウェイに居合わせた皆で、そして、来場出来なくてもヴァーチャル空間を通じて集ってきた皆で、同じ夜空の花火=星を見上げながら世界中の人たちの願いや祈りに想いを馳せるこの瞬間、このひとときが、素晴らしい未来への一筋の光となりますように。
富士山花火 vs スピードウェイは、これから毎年春の開催が決定いたしました。
小山町観光協会さんからは、今年もこの時期に満開になるのではないかというお話を聞いて私も楽しみにしています。
桜と夜空に打ち上がる花火の下での春の宴となる「富士山花火 vs スピードウェイ 2025」へのご来場を心よりお待ちしております。